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ここクリニック皮フ科アレルギー科

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院長コラム

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  • 2024年2月3日

花粉によるかぶれに有効な薬と、正しいスキンケアの方法を解説

こんにちは。ここクリニック院長おかだりかです。
花粉の季節に顔がかゆくなったり、赤くなったりしたことはありませんか。花粉はくしゃみや鼻水といった症状だけではなく、皮膚のかぶれを引き起こすことがあります。この症状は花粉皮膚炎と言われますが、かぶれが生じた場合にはどのような薬が有効なのでしょうか。また、花粉によるかぶれが起こった場合の正しいスキンケアの方法を解説していきます。

花粉によるかぶれについてー花粉皮膚炎とはー

スギ花粉が飛散する季節になると、くしゃみ、鼻水、眼のかゆみなどの花粉症の症状に悩まれる方も多いと思います。その時期に、顔のかゆみや赤みを経験したことがある方はいませんか。スギ花粉症の患者さんに合併して、皮膚に炎症が生じることを「花粉皮膚炎」と言います。スギ花粉が皮膚に接触することで、経皮的に感作(※)される(皮膚を介してスギ花粉に対する抗体ができる)ことで発症すると考えられています。

 

※経皮感作(けいひかんさ)とは

通常の皮膚は、角層によって周囲の刺激から守られています。しかし、乾燥や湿疹があるとその角層のバリアが壊れてしまい、刺激に敏感になります。スギ花粉が通常の皮膚に付着しても、皮膚の中まで通過することはありませんが、湿疹や乾燥などでバリア機能が低下している皮膚の場合、花粉が通過することができます。花粉が皮膚の中へ入ってしまうことで、異物と認識され、それに対する抗体が作られることでアレルギーが発症します。このように、皮膚を介して抗体ができることによりアレルギーが発症することを、経皮感作と言います。一部の食物アレルギーも、この経皮感作が関与していると言われています

 

花粉皮膚炎の症状の特徴として、花粉が飛んでいる時期にのみ生じること(例えばスギ花粉であれば、春先のみ)、顔(目の周りなど)、首などの露出部位に生じやすいことが挙げられます。また、通常の「かぶれ」の症状では細かい赤い湿疹や水ほうが生じることがありますが、花粉皮膚炎ではじんましんのようなむくみを伴う発疹が目の周りに生じることが特徴です。このような症状は、特に若い女性に生じやすいと考えられています。

 

また、アトピー性皮膚炎がある方が花粉皮膚炎になると、もともとのアトピー性皮膚炎が増悪することが多いと言われています。花粉症があるアトピー性皮膚炎の方は、花粉の時期には増悪しないように注意する必要があります。 花粉皮膚炎は、スギによる症状が有名ですが他の花粉でも生じる可能性はあります。シラカバ、ブタクサなどの花粉による花粉皮膚炎の報告があります。特定の時期に、花粉症の症状ともに顔に赤みやかゆみが生じる場合は、花粉皮膚炎の合併を考える必要があります

花粉かぶれに対する治療薬と、正しいスキンケアの方法

花粉によるかぶれの治療として、まずは通常の花粉症と同様に、内服薬(抗ヒスタミン剤)が必要になります。加えて皮膚症状に対しては、塗り薬の治療を併用する必要があります。顔に症状がでることが多いので、弱い作用を持つステロイドの塗り薬が使われることが多いです。もともと湿疹や乾燥があり、皮膚のバリア機能が低下していると、花粉皮膚炎の症状が強くなることもあるので、保湿を含めたスキンケアも重要になります。

次に、花粉皮膚炎を発症した場合の正しいスキンケアについて説明します。先ほど説明したように、皮膚の角層のバリア機能が弱くなっているとスギ花粉が皮膚を通過しやすくなり、症状の増悪につながります。乾燥や湿疹がある場合は、まずそれを改善することが大切です。もともとアトピー性皮膚炎などの湿疹がある場合は、ステロイドをしっかり塗り、湿疹病変を治しましょう。皮膚や髪の毛の洗いすぎは、乾燥の原因になります。過度にこすったり、石鹸やシャンプー剤をつけすぎたりしないように気をつけましょう。
また、花粉が飛散している時期は、顔、髪の毛、服などに花粉が付着します。帰宅したら、顔や髪の毛を早めに洗い付着した花粉を落とすことで、花粉と接触する時間を短くするようにしましょう。また、服に付着した花粉を払ったり、空気洗浄機を使用するといった工夫もよいでしょう。

まとめ

ここでは、花粉によるかぶれ症状(花粉皮膚炎)について説明しました。花粉症の方で飛散時期に顔や首が赤くかゆくなったことがある人は、花粉皮膚炎かもしれません。 花粉皮膚炎になった場合は、飲み薬の治療とともに塗り薬を併用する必要があります。花粉皮膚炎は、皮膚から花粉が侵入して抗体が作られることで発症すると考えられています。乾燥や湿疹がある皮膚は、角層のバリア機能が低下しており、花粉皮膚炎になりやすくなります。花粉症の時期だけではなく、日々のスキンケアをしっかり行うことが、発症予防や症状の軽減に大切です。

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